映画感想

作者上橋菜穂子の「鹿の王」が原作である映画「鹿の王 ユナと約束の旅」を観てきた。田舎の映画館でさらに、夜だったので人生初の貸し切り状態での鑑賞になった。

まず感想としては、作品の世界観がよく伝わってくると感じた。原作を知っていたので、この本の世界観をどう表現するのか、興味深かったが、私のイメージと大きく外れることなく世界観が表現されていたと思う。

 

まず、私が気に入った部分は、自然の描写の美しさである。特に、最後の部分は鳥肌が立った。ぜひ、エンドロールの最後まで観てほしい。

 

この話は、色々なテーマがちりばめられており、観る人によって主題が変わる気がする。このご時世なため、感染症というところに注視して物語を見ていくこともできるし、家族というものはどういうものなのか考えるきっかけにもなる。色々なメッセージがある中で私は、一番自己を持つ大切さを感じた。周りに流されず、自分で考え、判断するという力がどれほど重要なのか伝わる作品だった。

 

私は、現在大学二年生である。そろそろ就活の準備を始めなければ間に合わなくなると感じている。そこで、就活のセミナーやキャリアデザインの授業を受ければ受けるほど、よく分からなくなっていった。そんななか去年社会人になった姉から就活においてもっとも重要なのは、自分が納得できたかどうかであると教えてもらった。どんな会社、仕事をしようが、自分が納得して、そこで働くという覚悟をもてれば、多少しんどい仕事でも、やりがいを感じながら働くことができる。納得するためには、就活を最後までやり切ること、そして、自分の中で軸をしっかり持つことが必要になってくる。軸というのは、何を重要視するかを明確にするものである。例えば、給料、福利厚生の充実度、仕事内容など様々ある。これから、周りの声に押しつぶされたり、妥協したりしたくなるかもしれないが、自分が納得できるところまで、最後まで頑張りたいと思う。

 

この映画を観て、自己犠牲とは何だろうかと思った。ぱっと通り過ぎるだけでは、かっこよくみえるだろ。しかし、その裏には、葛藤、後悔、不安、などが渦巻いている。それでもしなければならず、覚悟を決めて決断していると私は考えている。そして、それが正解なのかどうかは誰にも判断する権利はないと感じる。今回の作品にも自己犠牲という直接的な表現はされていないが、自己犠牲というものがキーワードとして描かれている。